障がい福祉についてのコラムを毎週月曜日に更新しています。
ぜひご覧ください!本コラムでは、障がい福祉サービス受給者証(受給者証)について紹介します!
受給者証は、障がいや病気によって日常生活や仕事に困っている人が、
障がい福祉サービスを受ける際に、各市町村から発行される証明書です。
受給者証には、
10桁の番号、障がいの種別、交付日、利用する事業所の情報
などが記載されています。
障がい者手帳と混合されることが多いですが、申請する機関や発行元も異なりますので注意しましょう!
<取得方法>
受給者証の取得時に必要な書類内容と取得方法について紹介します!
手順1.利用の申し込み・申請
お住まいの自治体の障がい保険福祉課や障がい福祉課にて申請を行います。
申請の際にいくつか書類を求められる場合があるので事前に電話で聞いておくと便利です。
手順2.聞き取り調査
申請先の市区町村の担当職員が、サービス利用の意向や日常生活の様子等についての聞き取り調査を行います。
障がい区分が高いほど、受けられるサービスが増えるため、正確な情報提供が重要になります。
調査は自宅訪問や相談室で行われることが多いです。
手順3.サービス等利用計画書の提出
利用したいサービスの目的や内容を盛り込んだサービス等利用計画案について、
指定特定相談支援事業者や自分自身で作成したものを提出します。
給付が決定した後はこの計画書に沿って支援が行われます。
手順4.支給決定
サービス等利用計画書を市町村に提出したら市町村の支給決定を待つのみです。
決定までは2ヶ月ほどかかる場合があります。
受給者証はサービスごとに有効期限が決められているので、更新月の2〜3ヶ月前に役所から届く更新の案内には気を付けましょう!
利用できるサービス
大きく分けて、要介護の人を支援する「介護給付」と仕事やスキルを身につけることのできる「訓練等給付」があります。
表でまとめたのでご覧ください!
表①
まとめ
障がい福祉サービス受給者証の取得方法と利用できるサービスについての紹介でした!
受給者証によって自治体が展開する様々な福祉サービスを受けることが可能となります。
「取得したい」と考えている方はぜひ、窓口に足を運んでみましょう。
今後とも本コラムをよろしくお願いいたします!
今日のコラムは障がいの3区分である身体障がい、知的障がい、精神障がい、そして発達障がいの特性についてです。
【身体障がい】
主な身体障がいの種別について紹介します。
種別それぞれが人によって症状や程度が異なります。
・視覚障がい
視覚機能が永続的に低下していることで、学習や生活に支障がある状態のことです。
物事の確認や人の動きをすぐに知ること等に難しさや不便さを感じています。
盲導犬や家族、ガイドヘルパーを伴って生活している方や、白杖を使用する方がいる一方で、外見ではわかりにくい方もいます。
・聴覚・言語障がい
聴覚障がいとは、身の周りの音や話し声が聞こえにくかったり、ほとんど聞こえなかったりする状態のことです。
音声からの情報取得が困難な点を特徴としています。
言語障がいは、音声器官が十分に機能しないことで、言葉でのコミュニケーションに支障が生じている状態のことをいいます。
なかには脳出血や脳梗塞などにより失語症を発症するケースや、聴覚障がいのある方が音を聞き取れずうまく発音ができないケースもあります。
・肢体不自由
身体の動きに必要な器官が病気やけがで損なわれ、日常生活における動作が困難な状態のことです。
原因や部位、発症時期も一人ひとり異なるので、困りごとの種類に応じた対応が必要とされます。
・内部障がい
体の内臓機能が病気やけがで損なわれ、日常生活のなかで困難を感じている状態をいいます。
心臓、じん臓、呼吸器など、身体の内部の障がいです。
なかには、ペースメーカーや人工呼吸器、インスリン注入ポンプなどの医療機器を使用している方もいます。
外見上では障がいがあることに気づかれにくいことも多いため、最近は内部障がいがあるとわかるマーク(ヘルプマークなど)をつけている方も増えています。
【知的障がい】
どのような障がいの範囲が「知的障がい者」「知的障がい」に当てはまるのかという定義はなされていません。
対象となる障がいの範囲は、都道府県知事が交付する療育手帳の交付対象となるかを判定した結果を採用する形になっています。
各自治体では、医学分野の診断基準をもとに療育手帳の交付対象を判定していますが、自治体によって判定基準や手帳の名称に若干の違いがあります。
知的障がいの特性
先天的または発達期に知的機能の障がいが現れ、日常生活や学習においてさまざまな困難を抱えているのが特徴です。
なかには抽象的な考えを理解することや、社会的または実用的な領域において物事を判断することなどを苦手に感じる方もいます。
社会的なルールを理解できず奇怪な言動を取ることもありますが、決して周囲を困らせようとしているわけではありません。
外見上で判断することが難しいため、時に誤解を招くこともあります。
【精神障がい】
精神障がいには多くの種類があり、同じ人が複数の障がいを持つことも珍しくなく、すべてを明確に分類し、定義をすることは困難です。
一例として、精神保健福祉法では、「精神障がい」の範囲を「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障がい、精神病質その他の精神疾患を有するもの(第五条)」と定めています。
精神障がいの特性
精神障がいのある人は、精神疾患のため精神機能の障がいが生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしています。
主な精神疾患として、統合失調症や、うつ病などの気分障がいなどが挙げられます。
症状に波があることが多く、外出することや人と会うことに難しさを感じたり、物事の判断や行動のコントロールに支障をきたしてしまったりなど、一人ひとりが様々な困難に直面しています。
適切な治療や服薬、周囲からの配慮によって症状をコントロールできることも多いため、大半の方が治療を受けながら日々の生活を安定的に過ごしています。
【発達障がい】
発達障害支援法では発達障がいの定義を、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」としています。
主な発達障がいの種類や特性を紹介します。
・自閉症
自閉症とは、他者と社会的関係を形成することを困難としていたり、言葉の発達の遅れていたりなどを特徴とする発達障がいです。
コミュニケーションの場面では、言葉や身振りなどを用いた相互的なやりとりや、自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを読み取ることに困難を感じています。
発症時期や障がいの程度は人により異なります。
・アスペルガー症候群
現在では、「ASD(自閉スペクトラム症)」として診断されます。
自閉症の特徴のうち、言語能力、会話能力そのものに関しては問題ないものの、 他者とのコミュニケーション、社会的関係等において困難を感じることを特徴としています。
外見上ではわかりにくいため時に誤解を招くことがあります。
自分の興味関心のある分野について、専門家顔負けの知識を持っているケースも多く見られます。
・学習障がい(LD)
学習における技能に困難がある状態です。文字を読むことや書くこと、計算に困難を感じたりします。
最近は学習障がいをLD「Learning Differences(学び方の違い)」と呼ぶ人たちもおり、学習方法が異なるという特性を言い表しています。
・注意欠陥多動性障がい(ADHD)
年齢や発達に不釣り合いな注意力や衝動性、多動性を特徴とする行動の障がいです。
発達年齢に比べて落ち着きがない、作業にミスが多い(不注意)などが挙げられます。
障がいの程度や症状は多様で、決して周囲を困らせようとしているわけではありませんが、周囲の無理解から誤解を受けるケースが多いです。
7歳以前に症状が現れることが多く、その状態が継続することで、社会的な活動や学業の機能などでさまざまな困難に直結しています。
まとめ
障がいにはさまざまな種類があり、一人ひとり症状や程度、特性は異なります。
多様性を認識し、人それぞれの個性を知ることが大切だと言えます。
また、行政では障がいの種類を大きく3つの区分に分けて、支援や福祉の施策を行っています。
地域生活支援や福祉サービスを利用する際には、主な障がいの種類や特性について把握しておきましょう。
コラム3.障がい者手帳について
今日のコラムは障がい者手帳についてです。
障がい者手帳の取得方法や取得するメリット・デメリットについて紹介します。
障がい者手帳とは
障がい者手帳とは、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療養手帳の3つを総称した呼び名です。
障がい者手帳の制度はそれぞれ異なりますが、いずれも障害者総合支援法に基づきさまざまなサービスを受けることができます。
3つの障がい者手帳の内容と取得方法
上記で紹介した3つの障がい者手帳はそれぞれ取得方法が異なります。
内容と取得方法について種別ごとに紹介します。
【身体障がい者手帳】
身体障害福祉法に基づいて発行される手帳です。
主に視覚や聴覚障がい、平衡機能障がいなど身体に疾病がある方が対象で、日常生活の支援や自立を目的に発行されており、等級は1級から6級まであります。
障がいが永続することを前提に発行されるため障がいが発行してまもない乳幼児期や障がいが永続しないと考えられる場合には発行されない可能性があります。
<取得方法>
身体障がい者手帳の取得ステップは以下の通りです。
①お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口で所定の診断書の書式をもらう
②指定医師の診断を受け、診断書を作成してもらう
③診断書類をそろえて 市区町村の障害福祉担当窓口に申請
④医師への確認や等級認定審査を行い、判定が終わり次第交付
申し込みから約1ヶ月程度で交付されますが、医師への確認や等級審査に時間がかかる場合は時間を要する場合があります。
また身体障がい者手帳には有効期限がないため、等級が変更となった場合や返還の手続きが必要な場合は窓口に行く必要があります。
【精神障がい者保健福祉手帳】
精神保健福祉法に基づいて発行される手帳です。
うつ病や統合失調症や広義の発達障がい等、何らかの精神疾患による初診から6ヶ月以上経っており、長期にわたって日常生活や社会生活への制約がある方が対象となります。
等級は1級から3級まであり、1級の方が症状が重く3級のほうが軽いとみなされます。
等級の判定は精神保険福祉センターで行われており、適切な食事や金銭管理等ができるか等の内容をもとに判定されます。
<取得方法>
お住まいの市区町村の窓口で申請を行います。申請に必要なものとしては次のものがあげられます。
・申請書
・精神保健指定医が記載した意見書や診断書
・本人の写真 など
市区町村によって必要な書類は異なるのでホームページなどを見て確認しましょう。
申請を受けてから交付まで約2、3カ月かかるといわれています。
また、有効期限は2年となっています。
【療育手帳】
療育手帳は知的障がいのある方が申請できる障がい者手帳であり、厚生労働省の「療育手帳制度要綱」を参考に都道府県と政令指定都市などの各自治体が運用しています。
名称も異なることがあり東京都では「愛の手帳」と呼ばれています。
児童相談所または知的障がい者更生相談所から知的障がいであると判定された方が対象となります。
18歳未満の方は児童相談所、18歳以上の方は知的障がい者更生相談所で判定を受けることになります。
また、知的障がいを伴う発達障がいのある方も対象となることがあります。
<取得方法>
療育手帳の主な取得ステップは以下の通りです。
①お住まいの市町村の障がい福祉関連の窓口で申請を行う
②障がい福祉相談所等で面接
③判定
④療育手帳が交付される
住んでいる地域によって申請方法や更新手続きのタイミングが異なります。
また交付までは1、2カ月かかり、18歳未満の場合は2年ごとの更新が必要な場合が多いです。
メリット・デメリット
障がい者手帳を取得するメリットとしては、税金控除の対象となることや公共交通機関の運賃など各種公共料金の割引などがあげられます。
また障がい者雇用枠で就職することが出来るので、障がいに理解がある職場で働くことが出来ます。
デメリットは基本的にはありません。
しかし手帳を取得することで「自分は障がい者である」と精神的なダメージを受けてしまう方が中にはいらっしゃいます。
まとめ
障がい者手帳は保持していることで自治体の提供するさまざまなサービスを受けることができ、就職窓口を広げることも可能になります。
手帳を取得することでレッテルを貼られるといったことはありません。
ご自身の疾患と照らし合わせて必要な障がい者手帳を取得してより良い暮らしを築いていきましょう。