リーノ スタッフblog

障がい福祉についてのコラムやワークスペースリーノ通信を掲載しています!

ぜひご覧ください!

お知らせ・更新情報

2024.11.1
コラム1.受給者証について を掲載しました
2024.11.11
コラム2.障がい3区分と発達障がいについて を掲載しました
2024.11.18
コラム3.障がい者手帳について を掲載しました
2024.11.27
コラム4.障害者総合支援法 を掲載しました
2024.12.2
コラム5.失業手当とは を掲載しました
2024.12.18

コラム6.生活介護 を掲載しました

2024.12.23

コラム7.大人の発達障がい を掲載しました

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2025.1.6
コラム8.生活保護 を掲載しました
2025.1.15
コラム9.児童福祉法 を掲載しました
2025.1.22

コラム10.就労継続支援A型・B型の違い を掲載しました

2025.1.27

コラム11.就労移行支援・就労定着支援の違い を掲載しました

2025.3.12
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コラム

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  • コラム1.受給者証について

    本コラムでは、障がい福祉サービス受給者証(受給者証)について紹介します!

    受給者証は、障がいや病気によって日常生活や仕事に困っている人が、

    障がい福祉サービスを受ける際に、各市町村から発行される証明書です。

    受給者証には、

    10桁の番号、障がいの種別、交付日、利用する事業所の情報


    などが記載されています。

    障がい者手帳と混合されることが多いですが、申請する機関や発行元も異なりますので注意しましょう!


    <取得方法>

    受給者証の取得時に必要な書類内容と取得方法について紹介します!

     

    手順1.利用の申し込み・申請

    お住まいの自治体の障がい保険福祉課や障がい福祉課にて申請を行います。

    申請の際にいくつか書類を求められる場合があるので事前に電話で聞いておくと便利です。

     

    手順2.聞き取り調査

    申請先の市区町村の担当職員が、サービス利用の意向や日常生活の様子等についての聞き取り調査を行います。

    障がい区分が高いほど、受けられるサービスが増えるため、正確な情報提供が重要になります。

    調査は自宅訪問や相談室で行われることが多いです。

     

    手順3.サービス等利用計画書の提出

    利用したいサービスの目的や内容を盛り込んだサービス等利用計画案について、

    指定特定相談支援事業者や自分自身で作成したものを提出します。

    給付が決定した後はこの計画書に沿って支援が行われます。

     

    手順4.支給決定

    サービス等利用計画書を市町村に提出したら市町村の支給決定を待つのみです。

    決定までは2ヶ月ほどかかる場合があります。

    受給者証はサービスごとに有効期限が決められているので、更新月の2〜3ヶ月前に役所から届く更新の案内には気を付けましょう!

     

    利用できるサービス

    大きく分けて、要介護の人を支援する「介護給付」と仕事やスキルを身につけることのできる「訓練等給付」があります。

    表でまとめたのでご覧ください!
    表①

    まとめ

    障がい福祉サービス受給者証の取得方法と利用できるサービスについての紹介でした!

    受給者証によって自治体が展開する様々な福祉サービスを受けることが可能となります。

    「取得したい」と考えている方はぜひ、窓口に足を運んでみましょう。

    今後とも本コラムをよろしくお願いいたします!

  • コラム2.障がい3区分と発達障がいについて

    今日のコラムは障がいの3区分である身体障がい、知的障がい、精神障がい、そして発達障がいの特性についてです。

     

    【身体障がい】

    主な身体障がいの種別について紹介します。

    種別それぞれが人によって症状や程度が異なります。

     

    ・視覚障がい

    視覚機能が永続的に低下していることで、学習や生活に支障がある状態のことです。

    物事の確認や人の動きをすぐに知ること等に難しさや不便さを感じています。

    盲導犬や家族、ガイドヘルパーを伴って生活している方や、白杖を使用する方がいる一方で、外見ではわかりにくい方もいます。

     

    ・聴覚・言語障がい

    聴覚障がいとは、身の周りの音や話し声が聞こえにくかったり、ほとんど聞こえなかったりする状態のことです。

    音声からの情報取得が困難な点を特徴としています。

    言語障がいは、音声器官が十分に機能しないことで、言葉でのコミュニケーションに支障が生じている状態のことをいいます。

    なかには脳出血や脳梗塞などにより失語症を発症するケースや、聴覚障がいのある方が音を聞き取れずうまく発音ができないケースもあります。

     

    ・肢体不自由

    身体の動きに必要な器官が病気やけがで損なわれ、日常生活における動作が困難な状態のことです。

    原因や部位、発症時期も一人ひとり異なるので、困りごとの種類に応じた対応が必要とされます。

     

    ・内部障がい

    体の内臓機能が病気やけがで損なわれ、日常生活のなかで困難を感じている状態をいいます。

    心臓、じん臓、呼吸器など、身体の内部の障がいです。

    なかには、ペースメーカーや人工呼吸器、インスリン注入ポンプなどの医療機器を使用している方もいます。

    外見上では障がいがあることに気づかれにくいことも多いため、最近は内部障がいがあるとわかるマーク(ヘルプマークなど)をつけている方も増えています。

     

    【知的障がい】

    どのような障がいの範囲が「知的障がい者」「知的障がい」に当てはまるのかという定義はなされていません。

    対象となる障がいの範囲は、都道府県知事が交付する療育手帳の交付対象となるかを判定した結果を採用する形になっています。

    各自治体では、医学分野の診断基準をもとに療育手帳の交付対象を判定していますが、自治体によって判定基準や手帳の名称に若干の違いがあります。

     

    知的障がいの特性

    先天的または発達期に知的機能の障がいが現れ、日常生活や学習においてさまざまな困難を抱えているのが特徴です。

    なかには抽象的な考えを理解することや、社会的または実用的な領域において物事を判断することなどを苦手に感じる方もいます。
    社会的なルールを理解できず奇怪な言動を取ることもありますが、決して周囲を困らせようとしているわけではありません。

    外見上で判断することが難しいため、時に誤解を招くこともあります。

     

    【精神障がい】

    精神障がいには多くの種類があり、同じ人が複数の障がいを持つことも珍しくなく、すべてを明確に分類し、定義をすることは困難です。

    一例として、精神保健福祉法では、「精神障がい」の範囲を「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障がい、精神病質その他の精神疾患を有するもの(第五条)」と定めています。

     

    精神障がいの特性

    精神障がいのある人は、精神疾患のため精神機能の障がいが生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしています。

    主な精神疾患として、統合失調症や、うつ病などの気分障がいなどが挙げられます。

    症状に波があることが多く、外出することや人と会うことに難しさを感じたり、物事の判断や行動のコントロールに支障をきたしてしまったりなど、一人ひとりが様々な困難に直面しています。

    適切な治療や服薬、周囲からの配慮によって症状をコントロールできることも多いため、大半の方が治療を受けながら日々の生活を安定的に過ごしています。

     

    【発達障がい】

    発達障害支援法では発達障がいの定義を、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」としています。

    主な発達障がいの種類や特性を紹介します。

     

    ・自閉症

    自閉症とは、他者と社会的関係を形成することを困難としていたり、言葉の発達の遅れていたりなどを特徴とする発達障がいです。

    コミュニケーションの場面では、言葉や身振りなどを用いた相互的なやりとりや、自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを読み取ることに困難を感じています。

    発症時期や障がいの程度は人により異なります。

     

    ・アスペルガー症候群

    現在では、「ASD(自閉スペクトラム症)」として診断されます。

    自閉症の特徴のうち、言語能力、会話能力そのものに関しては問題ないものの、 他者とのコミュニケーション、社会的関係等において困難を感じることを特徴としています。

    外見上ではわかりにくいため時に誤解を招くことがあります。

    自分の興味関心のある分野について、専門家顔負けの知識を持っているケースも多く見られます。

     

    ・学習障がい(LD)

    学習における技能に困難がある状態です。文字を読むことや書くこと、計算に困難を感じたりします。

    最近は学習障がいをLD「Learning Differences(学び方の違い)」と呼ぶ人たちもおり、学習方法が異なるという特性を言い表しています。

     

    ・注意欠陥多動性障がい(ADHD)

    年齢や発達に不釣り合いな注意力や衝動性、多動性を特徴とする行動の障がいです。

    発達年齢に比べて落ち着きがない、作業にミスが多い(不注意)などが挙げられます。

    障がいの程度や症状は多様で、決して周囲を困らせようとしているわけではありませんが、周囲の無理解から誤解を受けるケースが多いです。

    7歳以前に症状が現れることが多く、その状態が継続することで、社会的な活動や学業の機能などでさまざまな困難に直結しています。

     

    まとめ

    障がいにはさまざまな種類があり、一人ひとり症状や程度、特性は異なります。

    多様性を認識し、人それぞれの個性を知ることが大切だと言えます。

    また、行政では障がいの種類を大きく3つの区分に分けて、支援や福祉の施策を行っています。

    地域生活支援や福祉サービスを利用する際には、
    主な障がいの種類や特性について把握しておきましょう。

  • コラム3.障がい者手帳について

    今日のコラムは障がい者手帳についてです。

    障がい者手帳の取得方法や取得するメリット・デメリットについて紹介します。

     

    障がい者手帳とは

    障がい者手帳とは、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療養手帳の3つを総称した呼び名です。

    障がい者手帳の制度はそれぞれ異なりますが、いずれも障害者総合支援法に基づきさまざまなサービスを受けることができます。

     

    3つの障がい者手帳の内容と取得方法

    上記で紹介した3つの障がい者手帳はそれぞれ取得方法が異なります。

    内容と取得方法について種別ごとに紹介します。

     

    【身体障がい者手帳】

    身体障害福祉法に基づいて発行される手帳です。

    主に視覚や聴覚障がい、平衡機能障がいなど身体に疾病がある方が対象で、日常生活の支援や自立を目的に発行されており、等級は1級から6級まであります。

    障がいが永続することを前提に発行されるため障がいが発行してまもない乳幼児期や障がいが永続しないと考えられる場合には発行されない可能性があります。

     <取得方法>

    身体障がい者手帳の取得ステップは以下の通りです。

    ①お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口で所定の診断書の書式をもらう

    ②指定医師の診断を受け、診断書を作成してもらう

    ③診断書類をそろえて 市区町村の障害福祉担当窓口に申請

    ④医師への確認や等級認定審査を行い、判定が終わり次第交付

    申し込みから約1ヶ月程度で交付されますが、医師への確認や等級審査に時間がかかる場合は時間を要する場合があります。

    また身体障がい者手帳には有効期限がないため、等級が変更となった場合や返還の手続きが必要な場合は窓口に行く必要があります。

     

    【精神障がい者保健福祉手帳】

    精神保健福祉法に基づいて発行される手帳です。

    うつ病や統合失調症や広義の発達障がい等、何らかの精神疾患による初診から6ヶ月以上経っており、長期にわたって日常生活や社会生活への制約がある方が対象となります。

    等級は1級から3級まであり、1級の方が症状が重く3級のほうが軽いとみなされます。

    等級の判定は精神保険福祉センターで行われており、適切な食事や金銭管理等ができるか等の内容をもとに判定されます。

     <取得方法>

    お住まいの市区町村の窓口で申請を行います。申請に必要なものとしては次のものがあげられます。

    ・申請書

    ・精神保健指定医が記載した意見書や診断書

    ・本人の写真 など

    市区町村によって必要な書類は異なるのでホームページなどを見て確認しましょう。

    申請を受けてから交付まで約2、3カ月かかるといわれています。

    また、有効期限は2年となっています。

     

    【療育手帳】

    療育手帳は知的障がいのある方が申請できる障がい者手帳であり、厚生労働省の「療育手帳制度要綱」を参考に都道府県と政令指定都市などの各自治体が運用しています。

    名称も異なることがあり東京都では「愛の手帳」と呼ばれています。

    児童相談所または知的障がい者更生相談所から知的障がいであると判定された方が対象となります。

    18歳未満の方は児童相談所、18歳以上の方は知的障がい者更生相談所で判定を受けることになります。

    また、知的障がいを伴う発達障がいのある方も対象となることがあります。

     <取得方法>

    療育手帳の主な取得ステップは以下の通りです。

    ①お住まいの市町村の障がい福祉関連の窓口で申請を行う

    ②障がい福祉相談所等で面接

    ③判定

    ④療育手帳が交付される

    住んでいる地域によって申請方法や更新手続きのタイミングが異なります。

    また交付までは1、2カ月かかり、18歳未満の場合は2年ごとの更新が必要な場合が多いです。

     

    メリット・デメリット

    障がい者手帳を取得するメリットとしては、税金控除の対象となることや公共交通機関の運賃など各種公共料金の割引などがあげられます。

    また障がい者雇用枠で就職することが出来るので、障がいに理解がある職場で働くことが出来ます。

    デメリットは基本的にはありません。

    しかし手帳を取得することで「自分は障がい者である」と精神的なダメージを受けてしまう方が中にはいらっしゃいます。

     

    まとめ

    障がい者手帳は保持していることで自治体の提供するさまざまなサービスを受けることができ、就職窓口を広げることも可能になります。

    手帳を取得することでレッテルを貼られるといったことはありません。

    ご自身の疾患と照らし合わせて必要な障がい者手帳を取得してより良い暮らしを築いていきましょう。

  • コラム4.障害者総合支援法

    今日のコラムは障害者総合支援法についてです。

    障害者総合支援法は現在の日本の障がい福祉を支えている法律です。

    制定に至るまでの日本の障がい福祉施策の変遷と共に紹介いたします。

     

    障がい福祉施策のはじまり

    日本の本格的な障がい者施策は戦後から始まりました。
    日本国憲法が制定され、GHQの指示のもと社会福祉に対する施策が打ち出された結果

    ・「生活保護法(1946年)」

    ・「児童福祉法(1947年)」

    ・「身体障害者福祉法(1949年)」

    の福祉三法が制定されました。
    また「社会福祉事業法(1951年)」や、障がい児に対しては「学校教育法(1947年)」が制定されるなど、日本国憲法を契機として現在の障がい福祉、社会福祉の基礎が作られました。

     

    ノーマライゼーションの広がり

    1950年代になると、ノーマライゼーションという考え方が世界中に広く浸透しはじめました。

    ノーマライゼーションとは、高齢者や障がい者などの社会的弱者を排除せず、誰もが同等に生活ができる社会を目指す考え方です。
    北欧デンマークで発祥した概念で、戦後70年以上、社会福祉のキーワードとして使われています。

    この考え方は1970年代になると、世界中でより一層の広がりを見せ、国連総会で「障害者の権利に関する宣言」(1975年)」が採択されました。
    これにより障がい者の社会参画への流れが加速していきます。

    1981年が「国際障害者年」に制定され、翌年には障がい者の社会生活と社会の発展への完全参加と平等という目標実現とした「障害者に関する世界行動計画」が示され、その達成を図るための国際協力が求められました。
    また、国連は目標実現のための期間として、1983年から1992年までの10年間を「国連障害者の10年」と定めました。

    日本でもこれらを受けて、障がい福祉拡充のための様々な取り組みや法改正を行い、ノーマライゼーションの理念が浸透するようになりました。

     

    日本における障がい福祉の発展

    ノーマライゼーション理念に基づいた改革が進められていた中、1990年代のバブル経済崩壊によって国の財政問題が深刻になったことを背景に、財政面からも社会福祉の構造が改革されていきます。

    従来は障がい福祉サービスを利用する際、あらかじめ行政によって決められた障がい福祉サービスや利用先を選択する「措置制度」が取られていましたが、利用者自身が個々の必要な福祉サービスを選択できる契約制度への転換を目的に、「支援費制度」が2003年に施行され利用者本位のサービスを図ることが可能となりました。

    しかし、サービスの提供の仕方が障がい種別(身体、知的、精神)ごとに分かれていたためわかりにくく使いづらいことや、精神障がい者は対象外とされていたこと、地域間でのサービス格差の未解消など多くの課題が残されていました。

    これらの問題を解決し、ノーマライゼーション社会を実現するため、2005年に「障害者自立支援法」が制定、翌年に施行されました。
    障害者自立支援法により障がい種別に関わらず、障がいのある方たちが必要とするサービスを利用できるよう、仕組みが一元化されました。

    それだけでなく支給決定の手続きの明確化、就労支援の強化など、問題とされた多くの部分も改正されました。

    そして2013年、障がい福祉の更なる拡充を図るため障害者自立支援法が法改正され、「障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)」が施行されました。

     

     障害者総合支援法

    <基本理念>

    法改正により新たに基本理念(第1条の2)が制定されました。
    基本理念には、次の6つが掲げられています。

     

    ①全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されること

    ②全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現すること

    ③可能な限りその身近な場所において必要な支援を受けられること

    ④社会参加の機会が確保されること

    ⑤どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと

    ⑥日常生活又は社会生活を営む上での社会的障壁の除去といった重要な考え方を新法の理念としても規定することとしたもの

     

    障害者総合支援法はこの理念に基づき、ノーマライゼーション社会の更なる実現を目指しています。
    また3年ごとに福祉サービスについて見直しや改正をすると定められているので、これからも障がい福祉サービスの拡充がなされていくでしょう。

     

    <主な改正点>

    基本理念が制定されただけでなくいくつか大きな改正点がありました。
    主要な改正点を紹介します。

     

    ・障がい福祉サービス受給対象者、重度訪問介護の対象者拡大

    これまで法が対象とする障がい者の範囲は、「身体障害者」「知的障害者」「精神障害者(発達障害を含む)」であり、難病患者は含まれていませんでしたが障がい者の定義に「難病等」が追加されたことで、難病のある方も障がい福祉サービスの受給対象になりました。
    対象疾病は2021年からは366疾病までに拡大されています。

    また重度訪問介護の対象者拡大も行われました。
    今まで重度訪問介護の対象者は「重度の肢体不自由者その他の障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるもの」と定められていましたが、「重度の知的障害者・精神障害者」に対象が拡大されるようになりました。
    常に介護を必要とする知的障がい・精神障がいのある方が、在宅生活を継続しつつ日常的な支援を受けられるようになりました。

     

    ・「障害程度区分」から「障害支援区分」へ

    従来の「障害者自立支援法」までは、受給手続きの際には「障害程度区分」が採用されていましたが、個々の障がい特性が反映されにくい面があったため、障害者総合支援法では障害程度区分を廃止し、新たに障害支援区分が制定されるようになりました。
    また、区分判定の際には個々の障がい特性に応じた認定がなされるよう、適切な配慮や措置を講じることが定められています。

     

    まとめ

    障害者総合支援法は現在の障がい福祉を支えている法律です。

    障がい福祉サービスには今日でも多くの課題が残されていますが、法律が制定されるまでの歴史や、障がい福祉の理念を理解することがノーマライゼーション社会を実現させるためことに繋がります。

  • コラム5.失業手当とは

    今日のコラムは失業手当に関してです。

    会社が倒産することや、精神的理由などによって失業は突然訪れます。

    求職者が1日でも早く再就職するための支援として失業手当はあります。

    ここからは失業手当についてと受け取り方について説明します。

     

    <失業手当>

    失業手当とは労働者が失業した場合や雇用の継続が困難になった場合に一定の手続きを行うことで受けられる公的な給付の事です。

    失業手当は、再就職を支援する給付金であるため、給付を受けるには一定の条件があります。

     

    <失業手当を受けられる条件>

    1つ目の条件として、自己都合による退職の場合、雇用保険の被保険者期間が離職前の過去2年間で通算12カ月以上あることです。
    倒産などといった会社都合で辞めざるを得なかった場合、自己都合による退職であっても妊娠や身内の介護などの理由があった場合は退職前の1年間に6カ月以上していることが条件になります。

    2つ目の条件としてはハローワークで求職の申し込みをして積極的に転職活動をしていることです。
    失業手当は仕事に就く意思と能力がある方が受け取ることができます。

     

    <もらえる金額>

    失業手当の受給金額は、およそ離職前にもらっていた給与の50%~80%となります。
    日額での受給金額について具体的な計算方法をご説明いたします。

    1,退職前6カ月間に支払われた給与の合計額÷180日

    この計算方法で算出されたものを賃金日額といい、上限額と下限額があります。

    2,算出された賃金日額に所定の給付率をかける

    これによって基本手当日額、失業手当の日額が算出されます。

    所定の給付率は賃金日額によって決まり、50%~80%内となっています。

     

    <失業手当取得までのスケジュール>

    失業手当取得までの流れを説明します。

    1,前の職場から離職票を取得する

    2,自宅を管轄するハローワークで求職の申し込みを行う

    最初にハローワークで手続きを行った日は受給資格決定日といいます。

    受給資格決定日から7日間は待機期間となりこの期間は手当の支給はありません。

    3,雇用保険受給説明会に出席し、雇用保険受給資格者証を受け取る

    4,失業認定日に出席する

    最初の手続きから4週間後が第一回失業認定日となります。

     

    ここから退職理由によって初回の失業手当を受け取るまでが異なります。

    会社都合、自己都合でも正当な理由があった方は初回失業認定の1週間後に失業手当が振り込まれます。
    自己都合の方は7日間の待機期間のあと、さらに2か月間の給付制限期間があります。
    この給付制限期間が明けた2回目の失業認定のあとに初めて失業手当が振り込まれます。

     

    <失業手当手続き後のアルバイトについて>

    失業手当を受給している際には一切収入を得てはいけないというわけではありません。
    時間に余裕があることや、退職した途端に家に引きこもって体調不良になる可能性があります。

    手続き後のアルバイトについてシーン別に紹介します。

     

    ・給付制限期間中のアルバイト

    給付制限期間中は全くの無収入となるので、給付制限期間内に収まる範囲でのアルバイトは法的にも全く問題ありません。
    この期間は手当が発生しないため何らかのアルバイトで収入を得ておくのも手です。

    ・手当支給開始後のアルバイト

    手当が支給されている最中にアルバイトした場合は、失業認定日にアルバイトをしたことを報告する必要があります。
    報告をすると、稼いだ分だけ不支給となりますが不支給分は支給が後回しになるだけで消滅するわけではありません。

    ・手当支給中の収入額が一定額以下であればダブルで支給される

    支給期間中に収入を得た場合先送りになると前述しました。
    しかし一定額以下であれば先送りされることなく通常通り支給されます。
    失業手当だけでは生活が難しく家計を補助する目的での短時間労働は認められる可能性がありますのでハローワークに相談してみましょう。

     

    まとめ

    失業は誰の身にでも起こりうることです。

    失業手当は、失業した求職者が1日でも早く再就職するための支援する制度ですので、少しでも知識として持っておくことで将来あなたを助けてくれるかもしれません。

  • コラム6.生活介護

    今日のコラムは生活介護についてです。

     

    生活介護とは?

    生活介護は常に介護を必要とする人に、障がい者支援施設などで日中に行われる介護・活動支援のことです。医療施設以外の施設において、通所・入所する人に対して行われる日中活動の支援サービスという位置付けです。

     

     

     

    生活介護の支援内容と目的

    支援内容の具体的なものとして、入浴や排せつ、相談や助言、食事など利用者個々に必要な介護サービスの提供や、創作的活動や生産活動の機会の提供などがあります。様々な面から利用者一人ひとりに関わります。また支援の目的はいくつかあります。

     

    1,自立支援と日常生活の充実のための活動支援

    生活介護の目的は利用者の自立を促進し、生活面での改善を図り身体機能の維持向上することです。

    サービス内容は事業所ごとに異なりますが、利用者一人ひとりの障がい特性や障がいの程度に応じたサービスが提供されます。具体例としては、食事や入浴などの日常動作のサポートなどがあります。ほかにも書道などの創作活動や、軽作業を主とした生産活動があります。 生活介護における生産活動は、「就労支援」のサービスとは異なり、工賃や作業時間に関して規則上の違いがあります。

    2,社会生活のための支援

    生活介護サービスを利用することで、利用者は多くの人と豊かな交流を持つ機会を増やすことができます。利用者の対人関係や活動の幅が広がることは、新たな生きがい、やりがいの発見に繋がります。

    事業所によっては、利用者が地域の季節行事に参加することなどの、地域活動への参加などを通じて、社会生活のための支援を積極的に行っています。

    3.利用者の心身の状況に応じた支援

    生活介護を提供する事業所では、個々の心身の状況に応じた身体介助や医療的ケアなどの専門的な支援が必要であり 一人ひとりに合わせた支援を行うことで利用者が安心して過ごせる環境を作ることができます。

     

    生活介護の対象者

    生活介護の対象となるのは、地域や入所施設において安定した生活を営むため、常時介護などの支援を必要とする人で以下のものに該当する方となります。

     

     

    1,障がい支援区分が区分3(障がい者支援施設などに入所する場合は区分4)以上

    2,年齢が50歳以上の場合は障害支援区分が区分2(障がい者支援施設などに入所する場合は区分3)以上

    3,生活介護と施設入所支援との利用の組み合わせを希望する場合

    障がい支援区分が区分4(50歳以上の場合は区分3)より低い方のうち、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成の手続きを経た上で、市区町村が利用の組み合わせの必要性を認めた方

     

    障がい支援区分

    障がい支援区分とは、障がいや心身の状態などにより、必要とされる支援の程度を段階的に示した指標のことです。支援の度合いが低い方から1~6段階に分けられており、認定調査の結果によって区分が決まります。生活介護のサービスを利用する際には、この障がい支援区分の認定を受けることが必要です。

    生活介護支給決定までの流れは以下の通りです。

    1お住まいの市区町村で障がい支援区分を申請

    2申請後に市区町村の相談支援事業者が訪問し、認定調査

    3市区町村の調査員の訪問による聞き取り調査

    4サービス等利用計画案を提出する

     

     

     

    生活介護に必要な費用

    障がい福祉サービスの自己負担額は、利用者の所得に応じて4区分の負担上限月額が決められています。

    実質的には、厚生労働大臣が定めた額のサービス利用料金の1割と、食費や光熱費の実費を利用者が負担します。家庭ごとに違いがありますので、詳しくはお住まいの市区町村の福祉担当窓口でご確認ください。

     

    ① 生活保護受給世帯:0円

    ② 市町村民税非課税世帯:0円

    ※3人世帯で障がい者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象

    ③ 市町村民税課税世帯:9,300円

    (所得割16万円未満が対象であり、入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く人)※収入が概ね600万円以下の世帯が対象

    ④ 上記以外:37,200円

     

    まとめ

    生活介護では、利用者が活き活きとした日中活動を行うためのプログラムや、日常動作に必要な介護、日常生活や社会生活で必要とされるさまざまな支援や取り組みが行われています。

    生活介護をもっと知りたい、ぜひ受けてみたい、と思われた方は、まずはお住まい地域福祉課や相談支援事業者などへ相談してみると良いでしょう。

  • コラム7.大人の発達障がい

    今回のコラムは大人の発達障がいについてです。

    大人の発達障がいとは
    大人の発達障がいとは、大人になってから発達障がいがあるとわかり、日常生活や社会生活において困難が生じている状態です。
    発達障がいとは生まれながらのものなので、“大人になってから発達障がいになる”というわけではありません。
    大人の精神障がいに多い特性は以下のようなものです。

     

    自閉症
    人とのコミュニケーションで言葉や表情などによるやり取りが苦手であることや自分の気持ちを伝えるのが難しかったりする特性があります。
    また特定のことに強いこだわりを持っていたりします。

     

    注意欠如・多動症(ADHD)
    年齢や発達に不釣り合いな注意力、多動性、衝動性が特徴です。
    注意力を持続させることが難しいため、大切な予定を忘れてしまう、忘れ物や落とし物が多いなどの困難さを抱えています。

     

    学習症・学習障がい(LD)
    全般的な知的発達には問題がないにもかかわらず、読む、書く、計算するなど特定の学習行為において支障が認められるという特性があります。

    チック症
    チックとは、本人の意思とは無関係に起こる、素早い身体の動きや発声です。
    そのため、我慢していても声が出たり、体が動いてしまったりするなどの困難を抱えています。

    吃音
    話し言葉が滑らかに出ない発話障がいのことです。
    幼児•児童期に出始めるタイプがほとんどで大半は自然に軽くなったりしますが、成人になっても持続するケースがあります。



    困った時には
    日常生活や社会生活のなかで困難を感じたときの対処法や、どのような支援があるかについてご紹介します。

    ・自分が「大人の発達障がい」かどうかを知りたい時
    大人の発達障がいであるかを知るには、医療機関への受診が必要ですので近くの精神科や診療内科で発達障がいの診断を行っているかを問い合わせてみましょう。
    また発達障害者支援センターという国の事業として運営されている機関を利用するのも手です。
    無料で相談ができたり、専門的なアドバイスを受けたり、必要に応じて医療機関の紹介を受けたりすることもできます。


    ・大人の発達障がいについて相談をしたいとき
    自分や家族のことなど、大人の発達障がいについて相談したいときには、市区町村の福祉課などでも相談をすることが出来ます。
    専門的な相談を必要とする際には、発達障害者支援センターへの相談もしてみるといいでしょう。

     

    ・大学生向けの大人の発達障がいの相談窓口
    近年、各大学では障がい学生支援室が充実してきており、大人の発達障がいのことで悩みがある際には活用することができます。
    大学によっては、学生相談室などで専門家によるカウンセリングを行っているところもあるようです。

     


    大人の発達障がいで受けられる支援
    ここでは、大人の発達障がいはどのような障がい福祉支援を受けられるのかについて解説していきます。

    <障がい者手帳について>
    発達障がいのある方が障がい者手帳を取得する際には、療育手帳か精神障害者保健福祉手帳のどちらか、もしくは両方を選択することになります。
    受けられるサービスとしては障がい者雇用求人の応募が可能(手帳取得後も一般求人への応募が可能)、公共施設や交通機関などで実施されている割引やサービスを受けられるなどがあります。

     

    <大人の発達障がいの治療費の減免>
    「自立支援医療制度」とは、精神疾患の治療にかかる自己負担額を軽減できる制度です。
    公的医療保険による医療費の自己負担額は通常3割ですが、この制度を利用すると1割まで軽減されます。
    この1割の負担が過大なものとならないように、世帯所得などに応じて1ヵ月あたりの自己負担額に上限が設けられています。
    また対象者は一定以上の症状を有する精神疾患の治療のため、医療機関に通院している方になります。

     

    申請方法ですが、利用には診断書による審査が必要です。
    精神障がい者保険福祉手帳を取得する意思がある場合には、併せて相談するのがお勧めです。
    提出する診断書が手帳取得用の1枚で済むなど、申請手続きが簡略化できます。
    診断書の作成後には、お住まいの市区町村の担当窓口で必要な申請書類を受け取り、記入後、担当窓口へ提出します。

     


    まとめ
    大人の発達障がいの種類や症状の程度は一人ひとり異なります。
    悩みや困りごとがある際には、一人で抱えこまずに、相談窓口の利用や、医療機関での受診をお勧めします。

  • コラム8.生活保護

    今回のコラムは生活保護についてです。

     

    生活保護法の成り立ち

    生活保護法の前進にあたる「旧生活保護法」は1946年、戦後の混乱期に制定されました。が、当初は多くの課題がありました。
    その一つに、勤労意欲のない者や素行不良の者などには保護を行わない、とされる欠格事項が設けられ、保護の対象が限られてしまうという重大な欠点がありました。

     

    1950年に「新生活保護法」として改正され、日本国憲法第25条「生存権」に基づくものであることが明文化されました。
    日本国憲法第25条では、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文が明記されており、生活保護制度ではこの理念の達成が目的とされています。
    この法改正により従来の欠格事項を撤廃したうえで、無差別平等の保護が定められました。

     

    旧法での5種類の保護は7種類に変更され、2000年の法改正で8種類に拡充されています。
    このように旧生活保護法が時代の流れに則した形で幾度も改正され、現行の新生活保護法が制定されるに至りました。

    今後も生活保護制度は時代のニーズに即した制度の改善が求められると言えます。

     

    生活保護の要件

    生活保護の申請は国民の権利なので、制度の利用を必要とする人は誰でも申請することができますが一定の要件があります。

    生活保護は世帯を単位に決定され、以下の要件を満たす必要があります。

     

    <資産の活用>

    預貯金や不要な土地・家屋を売却し生活費に充てることが必要。
    ただし、居住用の持ち家や事業に必要な資産は例外あり。

     

    <能力の活用>

    働くことが可能な人その能力に応じて働く必要がある。
    ただし、求職が困難な場合は例外あり。

     

    <あらゆるものの活用>

    年金や手当など他の制度で給付を受けられる場合、それらを先に活用することが必要。

     

    <扶養義務者の扶養>

    親族等からの援助が受けられるのならこれを優先する必要がある。

     

     上記の前提を踏まえた上で、世帯収入が最低生活費を下回る場合に保護が適用されます。

    最低生活費の算出方法は以下の通りです。

     

    【最低生活費=1類費+2類費+各種加算+その他の扶助費】

     

    1類費:個人的な生活費(飲食費など)

    2類費:世帯共通の費用(光熱水費など)

    各種加算:障害、母子加算、介護保険料など

    その他の扶助費:住宅費、教育費、医療費など

     

    保護の種類と適用範囲

    生活保護制度が適用されると、生活において必要とされる各種費用への扶助が支給されます。
    保護の種類には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があります。
    例えば生活扶助では衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものが支給されます。
    これらは各扶助の具体的な用途に応じて定められた範囲内で支給されます。

     

    申請までの流れ

    生活保護の申請には、まずお住まいの地域にある福祉事務所の生活保護担当窓口を訪れましょう。
    事前の相談などが行われた後に生活状況などを把握するための訪問調査などの必要な調査が行われます。

     

    申請から決定までには通常2週間ほどかかります。
    生活保護の申請にあたって必要な書類は特にありませんが、収入や資産などの資料の提出が求められることがあります。
    生活保護制度では、どのような状況下においても、私たちが生活保護を必要とする際にはお近くの福祉事務所で相談を受けられる仕組みになっています。

     

    生活困窮者自立支援制度

    生活保護は最終的なセーフティーネットとしての役割があります。
    しかし、その前段階において、生活に困難を抱えている方が受けられる支援制度として生活困窮者自立支援制度が存在します。
    この制度は、第2のセーフティーネットの拡充を目的として2015年に施行されました。

    支援内容は以下の通りです。

     

    <住宅確保給付金>

    生活に困難を抱え、住居を失うおそれの高い方、住居を失ってしまった方に一定期間の家賃相当額を支給

     

    <家計改善支援事業>

    就労に向けた基礎能力を養う

    家計改善支援事業

    家計管理のサポート

     

    <就労訓練事業>

    個別の就労支援や就労訓練などを提供。

     

    <生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援事業>

    子供に関わる学習や進学支援など

     

    <一時生活支援事業>

    宿泊場所や衣食の提供。

     

    この制度は、生活保護を受けていない人が対象で、地域の相談窓口で支援を受けられます。
    詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。

     

    まとめ

    いざという時に知っておくと役に立つ生活保護制度についてのコラムでした。
    生活保護の申請は国民の権利であり、生活保護を必要とする可能性は誰しもあります。
    生活に困難を抱えてしまった際には、早めに相談することが大切です。
    相談を受ける際には、まずはお住まいの福祉事務所や自治体などへ事前に問い合わせをしておくとスムーズになるでしょう。

  • コラム9.児童福祉法

    今回のコラムは児童福祉法についてです。

     

    児童福祉法
    制定までの流れ

    近代以前の日本では子どもの権利という概念は存在せず、明治から昭和初期にかけては貧富の格差が広がり、命を落とす子どもや売られていく子どもが少なくない状況でした。
    また、劣悪な労働条件下での児童労働もまかりとおり、子どもの人権問題が累積していました。

    戦前の日本には児童保護を試みる民間の宗教家等による事業は存在しましたが、国全体の児童をくまなく保護する法律や取り組みはありませんでした。

    1945年8月15日に日本が第二次世界大戦の敗戦国となり、敗戦直後の日本は深刻な食糧難や住宅不足、戦災孤児の急増といった問題に直面しました。

    政府は1945年9月に「戦災孤児等保護対策要綱」を決定し、戦災孤児の保護施策を次々と打ち出しましたが、これらは応急措置に過ぎず、対象も一部の子どもに限定されていました。
    1946年には日本国憲法が制定され、1947年に「児童福祉法」が制定されました。
    この法律はすべての子どもたちの福祉を実現することを目標にしており、満18歳未満の者を児童と定義しています。

    こうして、日本では敗戦と日本国憲法の制定を契機に、本格的な児童福祉施策が始まったのです。

     

    児童福祉法の改正

    児童の権利に関する条約は1989年に国連総会で採択され、日本は1994年に批准しました。
    これは児童福祉のあり方に大きな影響を与え、子どもは大人と同様に人権を持つ主体的な存在として認識されるようになり、児童福祉の見直しが進みました。
    また、よく生きることや自己実現の保証といった意味合いがあるウェルビーイングという考え方が普及し、日本でも戦後から続いてきた児童福祉のあり方を見直す動きが高まりました。

    これらの背景により、2016年の法改正では児童福祉法の条文に変更が加わりました。
    改正後の第一条は「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、 その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」となっています。
    この法改正により、児童福祉法には従来の日本国憲法に基づいた理念のほかに、時代に則した新たな理念が加わることになりました。

     

    まとめ

    児童福祉法は、時代のニーズに合わせて法改正が行われてきたと言うことができます。

    これからも世の中の動向とともに注目していく必要があるでしょう。

  • コラム10.就労継続支援A型・B型の違い

    今回のコラムは就労継続支援A型・B型についてです。

     

    就労継続支援とは

    就労継続支援は一般企業などで働くことが難しい方に対して就労する機会を提供する障がい福祉サービスのことです。

    A型とB型の2種類があり、利用者それぞれの障がい特性や状況に合わせてどちらを利用するかを選択できます。

     

    <就労継続支援A型>

    就労継続支援A型は、利用者と事業者の間で雇用契約を結ぶ雇用型の就労支援サービスであり、利用者は事業者の運営する作業所に通うことで最低賃金が保障された報酬を得ることができます。
    また、利用者は就労と同時に一般就労に必要な知識や技術を身につける訓練を受けたり、生活支援員などから健康管理の指導や相談支援を受けたりすることが可能です。
    事業者は利用者の知識や能力が高まると一般就労への移行支援を行います。

    就労継続支援A型には利用期間の制限はないものの、原則として65歳未満の利用者が対象でです。
    65歳に達する前5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で65歳に達する前日において就労継続支援A型の支給決定を受けていた方は引き続き利用できます。
    利用者像としては、雇用契約に基づく就労が可能である65歳未満の方が想定されています。
    具体的な事例として、就労移行支援事業を利用したが企業の雇用に結びつかなかった方や、特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが企業の雇用に結びつかなかった方、企業を離職したが現在は雇用関係がない方が挙げられます。

    特徴として、就労内容が実践的であるため一般企業への就職者が多い傾向があります。

     

    <就労継続支援B型>

    就労継続支援B型は利用者と事業者の間で雇用契約を結ばない非雇用型のサービスです。
    利用者は事業者の運営する作業所に通いながら就労や生産活動の機会を提供されます。
    雇用契約がないため最低賃金の保障はなく、報酬額は事業所によって異なります。

    就労内容は単純作業が多く、利用者の能力や障がい特性に応じたペースで作業が可能です。
    利用者は就労と同時に一般就労に必要な知識や技術を身につける訓練や、生活支援員などから健康管理の指導や相談支援を受けることができます。
    事業者は利用者の知識や能力が高まると就労継続支援A型や一般就労への移行支援を行います。

    就労継続支援B型には利用期間や年齢制限はありません。
    利用者像としては、一般企業の雇用に結びつかなかった方や、一定年齢に達している方などが想定されています。
    具体的な事例として、一般就労をしていたが年齢や体力の理由で離職したが生産活動を続けたい方や、50歳に達している方、障害基礎年金1級受給者の方、就労移行支援事業を利用したが就労に結びつかなかった方が挙げられます。

    就労継続支援B型には、最低賃金の保障がなく工賃は低めですが、利用に年齢制限がなく、一人ひとりの障がい特性に応じた作業や訓練を利用者自身のペースで行えるメリットがあります。

     

    ■就労継続支援A型

    雇用契約 結ぶ

    報酬   最低賃金が保証される

    対象年齢 18歳以上65歳未満

    その他  一定の訓練や支援があれば働ける方向け

     

    ■就労継続支援B型

    雇用契約 結ばない

    報酬   事業所が定めた工賃

    対象年齢 18歳以上65歳未満

    その他  自分のペースで働ける

     

    利用までの流れ

    就労継続支援の対象者は、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病などのある方で、A型は18歳以上65歳未満の方が対象ですが、B型には年齢制限がありません。
    利用にあたっては障がい支援区分は問われず、障がい者手帳が必要ない場合もありますが、事業所によっては手帳が必要な場合もあります。
    主治医が必要性を認めた場合には手帳がなくても利用申請ができるため、事前の相談が重要です。

    就労継続支援A型の利用の流れは、主治医と相談し、希望の求人を探して応募・面接を受け、採用内定後に市区町村窓口で利用申請を行います。
    申請が認められると受給者証(コラム1参照)が発行され、事業所との契約を経て通所が開始されます。
    求人はハローワークやインターネット等で探すことができ、事前見学が推奨されます。

    就労継続支援B型の利用の流れは、主治医と相談し、許可を得た後に希望の事業所を探し、事業所との相談で利用が決まった場合に市区町村窓口で利用申請を行います。
    申請後には受給者証が発行され、事業所との契約を経て通所が開始されます。
    事業所は市区町村の障害福祉課やインターネット等で探すことができ、見学や作業体験が推奨されます。
    事業所との相談の上で通所が決まった際には、お住まいの市区町村の障がい福祉担当の窓口に就労継続支援B型の利用の申請が必要です。
    申請後は担当者による聞き取り調査と、サービス支給認定のための会議を経て支給が決まります。

     

    まとめ

    就労継続支援にはA型とB型の2種類があり、利用者の生活状況や障がい特性に応じて選択して利用することが出来ます。
    利用を希望するにはまず主治医に相談することが大切です。

    事業所によってお仕事内容や利用条件について異なりがあるので、希望先の事業所に相談や見学に行くことをおすすめします。

  • コラム11.就労移行支援・就労定着支援の違い

    今回のコラムは就労移行支援と就労定着支援の違いについてです。

     

    <就労移行支援>

    就労移行支援の対象者は65歳未満で一般就労を希望する障がい者で、知識や能力の向上、実習、職場探しを通して適性に合った職場への就労等が可能と見込まれる方です。
    具体的には、企業での就労希望者や、技術を習得して在宅就労を目指す人等です。

    利用者は希望するサービス事業者と契約し、施設に通所して支援を受けます。
    主なサービス内容には、就職活動サポート、必要な訓練、特定の資格(あん摩マッサージ指圧師免許等)取得支援があります。
    支援は「基礎能力のトレーニング」、「職場見学や実習」、「応募書類作成や面接対策」の3過程を段階的に行います。

    就労移行支援は就職を目指すための訓練となるため基本的には賃金は発生しません。
    利用期間は原則2年間で、2年経っても就職が難しい場合には1年間の延長が可能ですが市町村の承認が必要です。

     

    利用には障がい支援区分は問われません。
    障がい者手帳がなくても利用できることもありますが、事業所によっては手帳所持が条件となる場合があります。
    しかし主治医の認定があれば手帳なしでも申請可能な場合があるため、希望する事業所との事前相談が必要です。

    利用の流れは以下の通りです。

    1就労移行支援事業所を探す

    2市区町村での利用申請や申請後の認定調査

    3受給者証発行、事業所との契約、通所開所

    受給者証を事業所へ持参し、契約を行うと通所ができるようになりますが、事業所ごとに契約手順は異なる部分があるため、確認が必要です。

     

    <就労定着支援>

    就労定着支援の対象者は、障がい者で就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練のいずれかの利用歴があり、一般就労に移行した方です。
    就労後6か月経過し、生活や就業面において課題が生じている人が対象となります。
    多くの就労定着支援事業所は就労移行支援の事業所と兼務して運営されています。
    就職後は同じ事業所から支援を継続受けることも、他の事業所と契約して支援を受けることも可能です。

    サービス内容には、利用者の就労の継続を図るための会社や福祉サービス事業者、医療機関との連絡調整、就業や生活、健康面での支援があります。
    また、就労定着支援員が勤め先との仲介役として情報の伝達や共有、利用者が社会生活で課題に直面した際には相談や指導、アドバイス、その他必要な支援を行います。
    利用者の希望で就労定着支援員が本人や利用者の上司との面談を行うことも可能で、悩みを抱え込むことによる離職を防ぐため、寄り添ったサポートを提供します。

     

    就労定着支援は就職後7ヶ月目から利用ができるようになり、1年ごとに支給期間の更新をする必要があります。
    ただし、就労移行支援や就労継続支援A型などを利用して就職した場合には、就職後6か月間はそれまで利用していた事業所から面談などのサポートを受けられます。
    その後、7ヶ月目から就労定着支援を受けることが可能になります。

    利用方法は就労移行支援とほぼ同じで、障がい支援区分や障害者手帳の所持は問いません。
    利用の流れは以下の通りです。

    1利用中の事業所での支援継続を希望することや新たな事業所探しを行う。

    2市区町村窓口での申請、認定調査

    3受給者証の発行、事業所との契約、通所開始

    申請手続きは自治体により異なるため事前確認が必要です。

     

    <就労移行支援・就労定着支援にかかる費用>

    就労移行支援と就労定着支援の料金体系は同じ仕組みになっています。
    具体的な利用料金の算出方法は以下の通りです。

    ・生活保護世帯…負担上限月額0円

    ・市町村税非課税世帯…負担上限月額0円

    (3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります)

    ・市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)…負担上限月額9,300円

    (収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります)

    ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く(入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「上記以外」となります)

    ・上記以外…負担上限月額37,200円

     

    また、所得を判断する際の世帯の範囲は以下の通りです。

    ・18歳以上の障がいのある方(施設に入所する18、19歳を除く)

    ⇒障がいのある方とその配偶者

    ・障がいのある子ども(施設に入所する18、19歳を含む)

    ⇒保護者の属する住民基本台帳での世帯

     

     

     

    まとめ

    就労移行支援や就労定着支援は障がいのある方の就労、定着を後押しするサービスです。

    就職に対する不安や悩みがある際に、事業所が蓄積したノウハウや、各種サポートやアドバイスも得られるだけでなく、就職後にも、困ったことやトラブルがあれば、専門スタッフによる手厚いフォローを受けることができます。

    慣れない環境で仕事を行う際には知っておくと安心できる制度です。

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